リンゲル液について

リンゲル液は最近金魚界でも広まってきた。以前調べた魚の体液組成では、メダカ(残念だが金魚のデータ見当たらず)の場合、1㍑中の成分で全てg単位

Nacl 7.5 kcl 0.2 Cacl(本当はcl2で2は小さい) 0.2 が組成分析結果である。
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当然、海産硬骨魚類であると、Naclが13.5であり、他の成分も数値が違う。また、メダカにはない成分もある。

体液に存在する卵や精子は当然安定している。これが体外に排出されると活性を段々と失い、受精が出来なくなる。

新潟県の農林水産部の内水水産試験場の「ニシキゴイの人工採卵法」を見ると、鯉の人工受精が紹介されている。

驚いたのは、暴れないように麻酔をかけ、タオルで目隠し(大概の魚は動きが止まる)し、肛門付近を拭き取り、念の為にリンゲル液を少量かけて更に拭き取っていた。これは、尿や水に触れると、卵はくっつき始めるし、精子も元気が段々なくなるから余程気を付けていた。ワセリン塗りの容器に卵を絞っる。一方で精子はリンゲル液に入れて希釈する。魚から出して針なし注射器で吸い出して入れるのだ。100倍位と紹介していたが、、適宜量は増減しても良い。卵に希釈精子を移し、混ぜたのちに孵化池に撒いていた。この真水に触れた瞬間から受精などが開始し、うまくいけばほぼ受精する。自然産卵では、受精率はまちまち。もしかしたら凄い魚になる卵が未受精になったらと思うと、やはりこの方法も大切であろう。

その後、必死に精子保存方法を各種論文から探った。知人の欲しい種魚からチロっと精子をもらい、かけたい雌から取った卵と受精が出来ないか?と。今のところ、…厳しい!