緑水について 

らんちゅう飼育で必要不可欠なものに緑水を上げる飼育者も少なくない。ただ、我々には水の色でしか判断出来ず様々な要因がある。

しかし、冬場に緑水が濃くなりすぎて魚がなんとなく調子悪いという経験はないだろうか?緑水を考える時、二つに大別が可能かと。

一つ目が、当然ながら植物プランクトン由来の緑水。珪藻や緑藻などが適度に繁殖したもの。海水から淡水にまで生存する。鮎釣りをする方には必要不可欠な珪藻は、川底の石の表面に群体として繁殖。鮎はガリガリ削り取って腹を満たす。当然縄張りを持って他魚が入って来ると体当たりして追い出す。鮎の友釣りはこの習性を利用したものであるのは有名。海では珪藻などが大量発生する赤潮にもなる。こうした植物プランクトンは古来から魚類の餌として重要。冬場はこのプランクトンのおかげで食をつないでいる。

一方、考えなければならない緑水がある。細菌バクテリアによる緑水。いわゆるアオコの類によるもの。藍藻と言われるもので、熱帯魚飼育時代に水槽の美観を損なうあのコケである。熱帯魚の場合、底に砂利などを敷くが、底床とガラスの合間にこびりつく。それを食べるブラックモーリーという魚や石巻貝やタニシなどに食べせる事などもある。実は、藍藻は私が増殖チャレンジしている光合成細菌の似て非なる仲間である。シアノバクテリアとも言うが、酸素発生型光合成細菌。夏場に緑水で飼育すると尾焼きと言って、溶存酸素が飽和状態を超えようとし、血管を通して体に行き渡る。その内尾膜がバサバサになる。
今回私が問題にしたいのは、餌となり水温調節をしてくれるはずの緑水が魚に悪影響を与える可能性があることだ。藍藻類の中には、少なからず毒性のあるものがあることは知らない飼育者が多い。シアノトキシンという毒性のある物質を合成する。家畜や人体に悪影響があることもあり、10年位前にアメリカの湖でアオコが大量発生し、水道水として使える状況になくなった記事を見た覚えがある。

熱帯魚では、水槽環境を変えるため、グリーンFゴールドを定量投入し、24時間経ってから水を半分換えて徐々に戻すことをした。バクテリアなので、効果はてきめん。ただし濾過細菌や、水草へのダメージも覚悟しなければならない。

では、どう防ぐかは、このバクテリアが好きな環境を押さえることで対処できる。繁殖条件とは、
①水が動かない。
②栄養が豊富。
③明るい。
である。もろにらんちゅう飼育そのものである。従って、私たちは水換えを頻繁にしたり、日覆いをして水温調節をする。藍藻類の繁殖条件から考えると、遮光は有効。
ただ、これはシーズン中は言われなくともやっている。肝心なのは水換えが少ないこの時期。下手に日当たりが良く、暖かいとバンバン繁殖し、思っている以上に藍藻類だらけだ。たまたま増殖した藍藻類が毒性のあるものであれば最悪だ😵😵

私の場合、赤色の光合成細菌をとにかく作り、これを飼育池に投入することで、親戚にあたるシアノバクテリアを抑える予定!

ちなみに、植物プランクトン(珪藻や緑藻など)とバクテリア(藍藻類)の見分け方は難しいが、決定的な事は、藍藻類の緑水は臭いという特徴がある。昔から水作り何年と言われたが、突き詰めると深い。