交配考

種魚については2歳魚は悪夢の被害があり、生き残った魚もまだ重症中。エルバージュの入った池で養生している。相当酷い目にあったが、せめて子が採れたらと…。一方、当歳魚の種魚は10尾程おり、来たる冬眠を待つばかりになっている。

さて、そのような中、どれとどれを掛け合わせるか……。毎年考えるのは楽しい。よく系統というのを参考にするが、ある程度多く出る形質を持っていなければ系統とは言わない。形質を固定化して行くのに用いられる方法が、ラインブリードインブリードである。
インブリードはラインブリーディングとも呼ばれるが、五世代前までの同じ血筋を持つ種魚同士で交配すること。
インブリードは、親子掛け・兄弟掛けといったいわゆる近親交配である。
上手く良い面が受け継がれた場合は、系統になる。ただし、余り血が濃いと、退化などの弊害が出る。弊害(欠点)が出る前に、補いたい特徴を持つ種を充てるのだ。

今年残した魚の場合は、他の飼育者から頂いた魚が結構いる!私の習性として、自分の飼い方で合わない魚は種魚からは外す。以前は小綺麗な魚が大好きだった。ただ尾が柔らかいのではなく、張りと柔軟性の際どい尾を好んだ。当然魚は華奢になる傾向だった。
しかし、大会からかなり長く離れ、他の飼育者とも会わない間に、尾はやや固めで水切り重視。体つきは2cm程大きくなった。今は押しの強い魚に趣向が変化。関取で言うと、かつての千代の富士関や貴乃花関を代表とする筋肉美がくっきりした魚だ。

そう言う意味では今年の種魚は新系統もおり、自身の残した魚との掛け合わせはワクワク感がある。先ほど上げたインブリードやラインブリードも当然実施予定。ただし、マイナス面が出始めたら他の血筋を入れなければ魚の進化はない。自身の血筋同士で一腹、別系統との掛け合わせを一腹、新規系統で一腹は最低考えている。

とにかくオスだけは、尾の付けが良い、尾皿のしっかり横に広がった魚に拘り集めた。やはり、尾は何と言っても大切!