長雨と盆休み

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種魚の池。今年の当歳魚から選んだ大事な種魚である。
種魚に決める時、避けたい形質は、腰から尾芯にかけてシャクレがある、目幅が狭い、尾付けの位置が悪い……といった魚は外す。私個人の意見ではあるが、シャクレはらんちゅう以外の金魚には現れる形質。遺伝の簡単な勉強(学生時代は理科嫌いだった)で分かったのが、優勢遺伝と劣勢遺伝というのがあり、多産型の金魚の場合は様々なタイプの魚が出現する。先人が選別淘汰して劣勢遺伝子を固定化し現在のらんちゅうを創作した。その先人の中心がらんちゅう界の石川宗家である。
従って、和金(フナ型)に戻ろうとする優勢遺伝が強く働き、遺伝を考えた種魚選びが大切となる。昭和の頃からでもかなり改良が進み、今考えると背びれが出たり、フナ尾の稚魚はかなり減った。固定化が進んだのではないかと実感。
一方、細部についてはまだまだなのかも知れない。フナ型とは真逆を求めなければならない。フナ型とらんちゅうの決定的な違いは、
 ①背びれの有無 
 ②頭を含めた体幅の違い
 ③「さし」の有無(らんちゅう以外はさ        
  し)
 ④裏皿の有無
 ⑤シャクレの有無
多産型であるらんちゅうの場合、全部にその悪い形質が出る訳ではない。ただ、確率的にどんどん悪い形質の出現率が上がる。

遺伝というのはやはり考えておきたい。メンデルの法則はやはり念頭に置いた種魚選びは必須である。中には「三つ尾」「一枚カジ」も退化という方もいるが、改良が進んだらんちゅうでは、三つ尾同士、カジ一枚同士で掛け合わせても四つ尾、二枚カジの魚は出る。ただ、可能な限り進化に向けた種魚選びに徹したい。
遺伝というのははっきりしていて、長い魚と短い魚を掛け合わせると、ほぼ長い稚魚と、短い稚魚が出現する。そして極少数の中長手の魚が出現する。中長手を求めても、数が圧倒的に少ないこと、そこから選別として残せるのかを考えると、運不運のレベルとなる。だったら、両親を狙う体型の魚にすべきなのは言うまでもない!
ちなみに、幅を求めるなら背が平か凹んでいる位がよい。上見ですぐ分かるが、せめて本来背びれがあったであろう箇所が高くなっていない(峰が高くない)魚選びが肝心であろう!