親魚池を覗く

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日々暑さは容赦なく襲ってくる!とは言え、朝日が射す頃は確実に秋の気配が……考えてみれば6月下旬の夏至から2カ月が経つ!この夏至が最も昼が長いとすれば、12月下旬の冬至が最短。この6か月周期で昼間の長短が来ている訳であるから、丁度今はその三分の一が過ぎようとしている。

そう考えていると、実りの秋は確実に迫って来ている。私たち飼育者にとって、一番楽しみ半分、怖さ半分の時期の幕明け。
とりわけ大会に向けて、その大会の見方の傾向にあいつつ、花にたとえると一番綺麗に開花した状態で出品出来るか……地方大会の良さは、何尾かいる中から、熟した果実を収穫するように選んで出せる。変化の激しい当歳魚に限って言えば特にその事が言える。地方大会は今でこそ審査方法は均一化されてきて、会の特徴は段々と薄らいできたと感じている中、大会にも足を運ぶことも出来ない時間が数年間。より加速したか、元に戻ったかは当然知らない。ただ、私の知る限り魚の欠点を、どの程度許容し、良さとのバランスを考えるか……
この事を書き始めたら、今は無き我が拙文だらけの「新らんちゅう将軍の城」にて書いたことを思い出した。私的な意見だが、

優秀魚…欠点も少なく、魚としての押しがある。
秀逸魚…許容できる欠点はあるが、魚の作りや特徴で欠点を我慢できる。
凡魚…欠点もとりだててないが、かと言ってハネる魚ではない。
駄魚…欠点だらけで、種魚にも出来ない魚。

なぜこの事を思い出しながら書いたのか?まずは、精一杯飼い込み出来ていない、極端に遅く生まれて未熟という魚は除く!上の分類でいう凡魚はまさにそれである。この事について私見を述べるとすれば、どんな魚も長所と短所が相まっている。品評会に出す飼育者本人は一番その事を知っている。しかし、余りにも欠点のみを言い、評価がされず、逆にとりだてて特徴がない凡魚が評価されていってはいけない!私は、凡魚には花咲く可能性は高いと感じるが、2歳魚・親魚になるに従って、様々に変化が出て、意外に出世する。やはり悪い欠点が少ない事は、長い目で見ると強い!
従って、当歳魚時点で何らかの癖を抱えつつ、しかし秀でた特徴をもつ秀逸魚は、むしろ2歳魚以降崩れて行く経験はきっと多い。だから、いわゆる当歳限定で活躍出来るはずであった魚にとって、大会の晴れの舞台を失ったと言える。
ただし、逆に当歳魚では厳しい審査があるが、2歳魚以降許容されて評価される事も少なくない!
さてそう考えてみれば、残す魚もおのずと決まってくる!
ちなみに、写真の魚は大きさ的には20cmジャスト。尾型だけが良いヒョロヒョロの魚だった。2年かけて育てて地方大会ならば上位に入る(あくまで私見)まで変化してきた。もやしのような魚であったが、癖がなかったのが大きく影響した!