寒気が迫る

最低気温が一ケタになると、魚も生命維持に精一杯になる。いわゆる冬眠に入る。オフシーズンである。
らんちゅう飼育者というのは、オンオフをはっきりさせることで、産卵期から大会までの過酷な数ヶ月間を過ごせる。その期間は、命を削って飼育すると表現する方もいる。
しかし、こうした表現をどう捉えるかで飼育者の本気度も分かる。手間で辛いのがらんちゅう飼育である。それでも手間暇かけてやれるのかどうかが肝心。
私の場合、仕方ないとは言え、ここ数年は大会に出られなかった。それでも飼育場を充実させ、必要に応じて欲しい魚を入れ、飼育を続けられたことは、改めて自分はらんちゅうが好きなんだなぁと思う。毎年大会に照準を合わせて作り続けていることで生活にめり張りもついた。

さて、オフシーズンは本当にオフなのか?らんちゅう馬鹿は、この時期に種魚とその掛け合わせに頭を使う。系統的に魚の出来が把握出来ておれば、余計にその傾向がある。どういう子が出るか読めるので、そこに改良というチャレンジが出来る。
私が愚かに感じるのは、その都度種魚を変えて行く飼育法である。明らかに結果が出ない系統ならともかく、必ず真剣に適切に飼育すれば結果が出る。極論すれば、最近の魚は、余程質的向上が進んでいるからだ。
魚を信じて飼いこみをしていて、ぶつかる壁が出来て改良へと入るのだ。いかに魚の能力を引き出せるか?常に考えていかねばならないのだ。
毎年総括し、来年に気合を入れる時期こそオフシーズンではないか?