魚を大きくすること

魚を大きくすることは、ある意味技量と言える。型が崩れず、大きくすることは実は難しい。食わせ過ぎると腹が横に出る芋魚、下に垂れ下がるとつり腹という欠点になりかねない。常に体側の延長線より腹が横に出ないようにしながら餌をぎりぎりまで与えるのだ。また、頭作りともバランスがなければいけない!

では、どうすれば良いのか?とりあえず大きくする方法を考えたい。

①飼育池が広いこと。
 放尾数が多いと話は変わるが、同数であれば広い方が良い。それは、排泄物に含まれるアンモニアの比率が関わってくる。狭ければ飼育水中のアンモニア比率が高くなる。成長が阻害されるためだ。
②溶存酸素の濃度が高いこと。
 水温によって、溶け込む酸素量は変化する。高いほど減り、低いほど増加する!
 逆に魚の消費する酸素量は高いと増え、低いと減る。
 なぜ適切な放尾数があるのかと言うと、排泄物の量もあるが、呼吸という大切な点に影響を与えるのである。摂餌し消化吸収する時に大量に酸素消費する。その時、一尾あたりの酸素量が少ないと、ストレスがかかり、成長に影響する。
③当歳魚に限って言えば、早く産卵。
 当たり前ことだが、早く産卵させて飼育時間が余裕あれば大きくなる。ただし、管理はとても大変なので、保温設備がない方はやめた方が良い。少なくとも、産卵させる種魚・生まれた卵もしくは稚魚・ブラインシュリンプ用の水温管理が最低限必要。温室をお持ちの方は別だが…。
④良質な餌を与える。
 とりわけ、固形飼料に言える。タンパク質などの含有量など示してある。ただし、数値だけではなく、消化しやすいことや、何よりも魚が好んで食べることが大事。私が今年与えた餌でよかった餌(黒子以降の当歳魚)は、キョーリンのらんちゅうディスクの増体用である。 
秋以降水温が低下してくると魚も伸びが止まって、幅が出る。タンパク質が高い餌は段々と負担が増えるので、消化吸収重視に変えていかねばならない。
⑤病気にさせない。
 一度こじれると、魚は回復にエネルギーが取られる。当然成長が止まる。当歳魚は特に、ストレスを与えず成長させたい。

今年遅い子を潰す覚悟で青子から黒子まで餌を煽った。腹の出も気にしながらの飼育だったが、かなり前のブログ記事に示したように、頭の後ろの背が全部高くなった。与える時期と餌量で魚にかける負荷というのはメリハリがやはりあることを再認識できた!当歳魚の場合は、選別で成長しやすい放尾数を作り、すくすくと青子まで育て、黒子は食わせて泳がせてを繰り返し、尾型の元を作る。色変わり後から試練の餌やりになる。

ちなみに、2歳・親魚もしっかり管理すると大きくなる。多くの飼育者が、2歳・親魚には片隅に追いやって、水変え適当、放尾数もめちゃくちゃというのもよく目にする。知人(全国的にも有名)は、坪池で2歳・親魚は3尾で作りあげている。2歳・親魚で強い訳が分かる。